エンプラ関連の用語解説
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 タ行
耐候性試験<wetherrability test>
屋外で使用される材料の評価のため、材料を光、熱、雨なの屋外条件下で長時間暴露して材料の変化を調る試験である。試験法にはは屋外暴露試験のほかに、評価期間の短縮と暴露条件のばらつきを防ぐため照射強度をあげ、光の点滅、散水するなどした人工促進試験がある。
ダイスエル<die swelling>
押し出し成型において、ダイから押し出された成型品の口径がダイ開口部の寸法よりも増加することをいう。成型品の寸法精度に重要な性質である。
タッピング<tapping>
ネジタップを使って行う雌ネジきり作業。金型や機械部品の取り付けなどによく利用される。
耐アーク性<arc resistance>
絶縁体を通して連続的に電圧をかけると発光放電が発生し、これをアーク又は電弧という。一般にプラスチックの表面でアークを発生させると有機物はアークの高温により分解し、やがて炭化する。この分解あるいは炭化現象に対する抵抗性を耐アーク性という。
耐クリープ性<creep resistance>
材料に弾性限界内の応力を長時間加えると変形することをクリープといい、このおこりにくさを耐クリープ性といい、エンプラではポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスルホンが優れている。
ダイキャスト<die cast>
溶融した金属を高圧で注入して成形を行う製造法をダイキャスティングといい、このような方法で成形されたものをダイキャスト製品という。プラスチックでも射出成形で同様の装置や金型が用いられ、生産速度が高く寸法精度もよい。
耐トラッキング性<tracking resistance>
絶縁物の表面にちりや電解質などの汚染物質が付着した状態で、比較的低電圧におけるトラッキング(導電路の形成)を測定する方法、代表的な試験法はJIS C 2134(IEC 60112)で規定されている。
チップ化
電気、電子部品関係で用いられる用語で、抵抗や、コンデンサー、コイル等の形状を非常に小さくして、プリント基盤に自動実装出来るようにすること。
テーパ<taper>
成形用金型では成形品の取り出しを容易にするために金型につける抜き勾配を言う。
デュロメータ硬さ<durometer hardness>
プラスチックの硬さを表す尺度で、針入り型硬度の一種。スプリング荷重方式の圧子を材料の表面に押し付けて、圧子のスプリングと針入り抵抗が平衡となった値で示す。ゴムや軟質PVCなどの硬度測定に用い、得られた値は指先の感触とよく対応する。
電取法<Electrical Appliance and Material Control Law>
電気用品取締法の略称で、日本の電気製品の安全性を規定する法律であったが2001年4月発効した電気用品安全法に置換わった。
電気用品部品・材料認証協議会<CMJ = Certificate Management Council for Electorical & Electronic Components & Material of Japan>
1990年8月に電気製品の部品と材料の第三者認証ガ発足し、更に電安法に対する対応並びにこの登録制度を国内外で効率よく進めるためにSマーク制度、期間内登録制度のあわせ展開されている。
電気用品安全法(略称:電安法)<Electrical Appliance and Material Safety Law>
電取法が1999年8月に改定且つ改称されて公布され、2001年4月に施行された。製品の多様化と国際的な整合性を図るため自、己確認と相互認証、及び罰則の強化をベースに構成されている。
トライボロジー<tribology>
摩擦、摩耗、潤滑、焼き付きなど、金属の表面で起こる摩擦現象のメカニズムを扱う学問分野。ちなみにtribo - は「摩擦」を表す言葉。
動摩擦抵抗(動摩擦係数)<coefficient of kinetic friction>
物体が他の物体と接触して運動するときに・接触面に現れる運動抵抗をいう。滑り摩擦と転がり摩擦とがある。一般に動摩擦係数は静摩擦係数より小さい。
ドライブレンド<dry blend>
粉末ないし粒状のポリマーを溶融させずに各種添加物を単に混合して得られる成形材料、又はその作り方を言う。
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 ナ行
2軸延伸<biaxial stretching, biaxial orientation>
フィルムやシートを融点以下の温度で、縦方向と横方向に引き延ばし、分子を2軸方向に配向させる操作をいう。この操作によってフィルムやシートの長さ方向と幅方向の引っ張り強さは著しく増大し、強靱性を増す。
二次転移点<second order transition point>
→ガラス点移転
熱可塑性樹脂<thermoplastic resin, thermoplastics>
加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化するプラスチックを総称していう。加熱工程において若干の酸化反応や熱分解反応を伴うことがあるが、本質的な分子構造の変化はない。成形加工は熱硬化性樹脂と異なり、加熱して軟化状態にある間に型にいれて急冷するため成形サイルクは短い。
熱硬化性樹脂<thermosetting resin>
熱硬化性のある樹脂のことで、代表的なものとしてフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等がある。硬化性樹脂は一般に耐熱性、耐薬品性に富み、硬度が高く機械的性質や電気的性質に優れる。
ネックイン<neck in>
Tダイからの押し出し物の幅がダイからでたところで、ダイの幅方向の収縮でダイの幅より狭くなっていること。
燃焼識別試験<combustion test>
燃焼や分解でプラスチックを識別する最も簡便な方法である。試験片に炎を近づけて、燃焼性、溶融状態、煙、におい、リトマス反応等で判断する。
ノッチ効果<notch effect>
穴、溝、切り込み等がある材料に力を加えると、応力集中によって強度が低下することをいう。プラスチックバッグの開封に用いられ、重宝されている。
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 ハ行
ハウジング<housing>
電気製品の外装部品のことを一般にハウジングという。最近では、電気製品から発生する電磁波を遮蔽するために電磁波シールド効果を持つ複合樹脂が必要とされつつある。
はすば歯車<helical gear>
車の回りに斜め向きの歯を刻み歯元断面積を大きくした歯車である。振動音が少なく、大きな力を伝えることができる。
バリ<burr,flush>
金属やプラスチックの加工工程で、製品の縁(へり)などにはみ出したりしてできる余分な部分。
バレル<barrel>
=加熱シリンダ。押出機において、材料を可塑化、混錬、輸送する部分で、シリンダとも呼ばれる。
パージング材<purging material>
射出または押出成形において、材料替えを行うとき、さきに使用していた材料を除去し、内部を清掃するために使用する材料。
ハンダ耐熱<heat resistance for soldering>
電子材料分野ではハンダ耐熱が基本であり、SMT(表面実装技術)に対応できるハンダ耐熱温度(加重たわみ温度250℃)の耐熱性が要求される。ところが、ハンダの鉛フリー化が進展しつつあり、ハンダの溶融温度が上昇することから、280℃くらいまで耐熱性が必要となってきている。
ヒケ<sink mark>
成形品の表面が収縮によって、ほんの少し凹んだりする現象。成形品の圧肉部分を取り除く等の対策がある。
引張強度<tensile strength>
材料が引張り荷重によって破断するときの最大応力を引張強度という。
光弾性(複屈折)<double refraction, birefringence>
透明物体に光が入射したとき、屈折光が二重に分かれる現象。応力下の当方性物体にこの現象が現れる場合に光弾性と呼ばれる。この他異方性物体においても同様の現象が現れる。プラスチックの成形品の内部応力を確認することが出来る。
疲労破壊<fatigue failure>
材料に静的破壊荷重以下の繰り返し応力を負荷したときに起こる最終的な破壊。疲労寿命曲線では一般的に結晶性樹脂の方が非晶性樹脂よりも優れている。
ビッカース硬度<Vickers hardness>
押し込み硬さの一種。対面角αが136°のダイヤモンド製四角すいを圧子として用い、これを試験荷重で押し付けて、試験片の表面に出来たクボミの大きさで表わす。ビッカース硬さは軟質プラスチックや鉛などのきわめて柔かい材料から、鋼などのきわめて硬い材料に至るまでの広い範囲の硬さの異なる材料のスケールで表示できる特徴がある。
pvT曲線<pvT curve>
プラスチックなどの状態を表す関係図で、圧力(P)、比容積(V)及び温度(T)の三者の関係を表示したもの。
ブルーイング<blueing>
透明プラスチック材料の黄色味を消すためにブルーイング剤を添加して青味付けを行うことを言う。
プレッシャークッカーテスト(PCT)<pressure cooker test>
アメリカ国防総省/軍規格(MIL)のSTD-883(電子部品の耐久性試験)に規定された試験の一つで、飽和蒸気加圧試験のこと(例、周囲温度=121℃、圧力=2Pa、相対湿度=100%)。エンプラに要求される場合もある。
ブレンド<blend>
2種以上の物質からなる混合物、異種ポリマーのブレンドをポリマーブレンドという。
フローマーク<flow mark>
射出成形において、溶融材料の流れの経路が成形品の表面に残り縞状や波状の外観上の欠点となる模様のこと。
分子複合材料<molecular composite material>
剛直分子による分子強化材料をいう。アラミド繊維やヘテロ環ポリマーなどの剛直棒状分子を屈曲性分子中に分子分散させた複合材料は弾性率、強度、耐熱性等の性質が優れており、アルミニウムに匹敵するものも得られる。
ヘイズ<haze>
曇価。透明なプラスチックの内部又は表面の不透明な曇り様の外観をいう。
ペレット<pellet>
直径または一辺が2〜3ミリ位の小さい一定の円柱形または角柱に造粒した成形材料をいう。
ボイド<void>
成形品の内部にできた空洞のことで、巣ともいう。発生原因としてはヒケと同じであり、成形品の外面に現れる収縮歪みがヒケであり、内面に発生するのがボイド(空洞)である。
POM<polyoxy methyleneの略>
=ポリアセタール。アセトアルデヒドの重合によって得られるポリマーで、−CHO−の構造単位からなる熱可塑性樹脂。引張り強さ、曲げ強さ、圧縮強さはポリアミド、ポリカーボネートとほぼ等しく、耐疲労性は汎用熱可塑性樹脂の中では最高水準にある。
ポリマーアロイ<polymer alloy>
高分子を2種類以上含んだ相互作用の強い高分子多成分系の総称。ポリマーアロイとしては、異種ポリマーをブレンドしたもの、異種ポリマーを化学的に結合したブロック共重合体、異種ポリマー同志水素結合や疎水結合で連なったポリマーコンプレックス等がある。
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