エンプラ関連の用語解説
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 ア行
アークトラッキング<arc tracking, creep path formation>
低電圧と中位の電流(約10〜20A)のもとで,アークが絶縁物の表面近くに発生することにより、その表面に条こんができる現象をいう。即ち、プラスチック材料の表面がアークの高熱にさらされた時、炭化によって強固な導電路を形成する現象で、炭素含量の多い材料などはこの現象が起きやすい。
圧縮成形<compression molding>
熱硬化性樹脂に適用される一般的な成形法。成形材料を加熱した金型に入れ、プレスによって加圧し、化学反応を起こさせて硬化させる。肉厚成形品や小規模の生産の場合には比較的有利であるが、複雑な形状のもの、小さな製品、大量生産には向いていない。
圧縮強さ<compressive strength>
圧縮試験中に試験片によって支えられた最大圧縮応力を表す。エンプラでは圧縮応力-ひずみ曲線において、最大点や破壊点を示さないことが多く、x%ひずみ時圧縮応力で表わすことが多い。
IEC<International Electro technical Commission (国際電気標準会議)>
国際的な電気製品の安全性についての規格。
IMDS<International Material Data System>
=国際素材データシステム。 欧州の自動車メーカーを中心にELV指令(廃自動車指令:PB、Cd、Hg、Cr6+の使用禁止)の施行に伴い、自動車に使用される部品ごとに素材を全て開示、登録するシステム。
ISO<International 0rganization for Standardization (国際標準化機構)>
様々な学問、産業に関する用語と試験法及び製品規格について標準化を扱う国際機関。専門分野別に分かれている。
アイゾット衝撃試験<Izod Impact Test>
試験片の一端を固定しハンマーで衝撃破壊した時、材料に吸収されたエネルギー量を求める振り子式衝撃試験方法。この方法では、材料を破壊するのに必要なエネルギーが求められる。材料の耐え得る最高応力でないことに注意する。
アウトサート成形<Out−sert molding>
金型内に金属部分をセットして金具のついた樹脂製品を成形する「インサー成形」と区別して、大型の金属部品(板金など)の上に小さ樹脂部分を成形する方法をいう。
アニーリング<annealing>
成形品の寸法を安定性向上、もしくは残留ひずみの除去を目的として行う熱処理の事。一般的に非結晶性プラスチックの場合は荷重たわみ温度よりも 5〜10℃低い空気浴中で数十分から数時間加熱した後徐冷する。結晶性プラスチックにおける寸法安定化は、使用上限温度よりも10〜20℃高い温度で処理を行う。
アフターキュア<after cure=ポストキュア>
熱硬化樹脂の成形した後に加熱することによってさらに硬化すること。また、硬化させることを言う。熱可塑性樹脂でも、結晶性樹脂の成形では、金型内で十分な結晶化が進行しない場合に、樹脂の持つ本来の物性が出ないことがある。このようなときには、成形品を、ガラス転移点以上に加熱して結晶化を促進する。 この処理をポストキュアといい、PPS、PAIでは特に重要な操作である。
アミド結合<amid bond>
−CONH− の結合様式。カルボン酸とアミンとの反応によって生ずる。この繰り返しによって生成されるポリマーがポリアミドで、通称ナイロンと呼ばれているものである。
RDF<Refuse Derived Fuel>
ゴミ固形燃料。家庭などから排出の分別収集された可燃ゴミを細かく砕き乾燥し、石灰を加えて固形化したもの。発熱量は約4000Kcal/kgでサーマルリサイクル推進の観点から固形燃料発電所で使用される。
RPF<Refuse Paper & Plastic Fuel>
金属の場合には合金の事であるが、ポリマーの分野では、異なるポリマー同士を直接,もしくは、第3化合物によって化学的に結合させたポリマーをさしてポリマーアロイと呼んでいる。
アロイ<alloy>
廃プラスチックと産業系古紙類を原料とした高カロリー固形燃料。化石燃料の代替として、ボイラーの燃料、コークス代替、石灰焼成キルンの燃料等に使用。発熱量は約5000〜9000Kcal/kg。
合わせピン<dowel pin>
金型を組み合わせるときにそれぞれの部品の相対位置を決める為のガイドとなるピン
アンカーピン<anchor pin>
射出またはトランスファ成形金型において、型開きの時にスプルーやランナーを除去し易いように金型の側に固定しておくために用いるピンの総称。
アンダーカット<undercut>
成形品を金型から取り出す際に、成形品を変形させるかまたは特殊な金型構造を用いなければ雛型が不可能な成形品の部分を言う。また、そのような成形品のくり抜いた部分を言う。
イオンプレーティング<ion plating>
物質の表面を改質する方法の一つで、金属をイオン化し、表面に析出させ、皮膜をつくる。プラスチックの表面を金属化することができ、得られた皮膜は密度が高く、ピンホールが少なく、かつ密着性に優れるのが特徴。
異方性<anisotropy>
成形品の物理的性質が方向によって異なることを言う。射出成形品の場合には、分子配向や、繊維状の充填剤の配向が原因となって異方性を示す。機械的強度の他、成形収縮率、線膨張係数等にもこうした現象がみられる。
イミド結合<imide bond>
酸無水物とアミンの反応によって形成される結合様式。イミド結合は耐熱性に優れているので、この結合を主鎖に有するポリイミドは耐熱材料として重要である。
インサート成形<insert molding>
樹脂成形品に取り付けられる種々の金属部品を成形時にあらかじめ金型内にセットして、成形と同時にはめ込んでしまう成形法。おもに縦型の成形機で用いられることが多いが、小物製品では横型の成形機でも実施されている。
ウィスカ<whisker>
金属あるいは金属酸化物などの微小繊維状単結晶で、ひげ(whisker)状結晶であるところからこのように呼ばれる。ガラス繊維や炭素繊維に比べ細くて、短いところから、成形品の表面が滑らかなものが得られるため、耐摩耗・摺動部材用の強化材として用いられている。
ウェルドマーク<weld mark>
ウェルドライン。射出成形で、成形材料が金型内でピンやコアなどの周囲を流れて合流するためにできる線状のマーク。外観のみならず、強度的にも欠陥となることが多く、注意を要する。一般に、融着点での材料温度の低下が原因しており、ゲート数を増加させる、ゲートの位置をずらす、冷却した樹脂を逃がすコールドスラグウェルを設けるなどの対策が取られている。
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ASTM<American Society for Testing and Materials>
アメリカ材料試験協会のこと。一般には、同協会が出してとる規格及び標準試験方法のことを言う。日本のJISに相当する。
エーテル結合<ether bond>
ether結合。2つのアルコール基が脱水反応を起こして生成する結合様式。−O−で表される。
永久ヒズミ<permanent set, permanent deformation>
=永久変形。材料に弾性限界よりも大きな力を加えると、荷重を取り除いた後でも、元の形に戻らない部分が生ずる。これを永久ヒズミと呼ぶ。
液晶性ポリマー<liquid crystalline polymer>
広い意味では高分子液晶の事であるが、通常は、工業的な利用目的を持った狭い意味での高分子液晶をさす。耐熱性が高く、成形時の流動性が良好であるのが特徴。現在、市販されているものは、ほとんどが、p−ヒドロキシ安息香酸を主成分とするものである。
エコマーク<eco-mark>
日本の代表的なエコラベルで1989年環境省が(財)日本環境協会に委任して、基準作りや認定をおこなっている。認定基準に商品のライフサイクルの考えを盛り込んだ他、透明性を高める仕組を取り入れた。
エコラベル<eco-label>
環境負荷が少ないなど環境保全に役立つ商品と購入者が識別するために商品につけられるラベル。ISOではエコラベルをタイプ1、タイプ2、タイプ3の3つに分類している。
SI単位<SI unit>
物理量や化学的物理量、単位等の名称と記号について国際度量衡委員会が定め、使用を推奨している国際単位系。このなかには、メートル、キログラム、秒、アンペア等がある。
SF成形法<structual foaming>
樹脂の成形法の一種で、化工時に発泡させながら成形品に中に微細な気泡を取り込ませる。機械的撹はん、揮発性、分解性発泡剤を用いて気泡を製造する。
S-N曲線<S-N curve>
エンプラのような材料の疲労性を調べるのに、試験片に繰り返し応力負荷して破壊させ、応力振幅Sを縦軸に、破壊までのクリープ現象数Nを対数で横軸にとりプロットして得られた曲線。
エステル結合<ester bond>
カルボン酸とアルコール化合物の脱水縮合反応によって生ずる結合種。PET、PBTはこの結合の繰り返しによって生ずるポリマーである。
FRP<fiber reinforced plastics>
=繊維強化プラスチック。ガラス繊維、炭素繊維などの強化繊維を充填することによって強化された樹脂の総称。
FDA<Food and Drug Administrationの略>
アメリカにおいて食品、薬品などに適用されている安全性基準。食品包装材料としてのプラスチックフィルム使用の適否や品質規定なども含まれている。
FMVSS-302
アメリカの自動車内装部品の燃焼性に関する規格
MSDS<Material Safety Data Sheet>
安全データシート。化学物質を供給する際、化学物質に起因する事故、災害などの未然防止に役立てることを目的に供給者の有する危険有害性情報を記入したもの。ISO 11074-1(JIS Z7250)で規格となっている。
エラストマー<elastomer>
一般的にゴムのような弾力性の顕著な高分子材料を言う。このうち熱可塑性タイプのものを熱可塑性エラストマーと呼ぶ。
LCA<Life Cycle Assesment>
ある製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通じて、投入資源あるいは排出環境負荷およびそれらによる地球や生態系への環境衛協を定量的、客観的に評価するもの。
LCI<Life Cycle Inventories>
LCA手法の1つで、ある製品に対して投入される資源やエネルギー(インプット)と生産あるいは排出される製品・排出物(アウトプット)のデータを収集し、環境負荷項目に関する出入力明細表を作成すること。
LCP<Liquid Crystalline Polymerの略>
→液晶性ポリマー
エンカプシュレーション<encapsulation>
電機部品や電気回路をプラスチック材料で包むことを言う。これにより、防湿、防塵のほか、部品の配線間の位置変化が問題となるような回路の固定化、あるいは装置や回路の小型化ができる。
延伸<stretching, orientation, drawing>
フィルムなどを材料融点以下の温度で機械的に引き延ばし、引っ張り方向に分子を配向させる操作を言う。この操作により、引っ張り強度は著しく向上し、強靱性を増すが、フィルムなどでは、延伸の方向に対して直角の方向ではかえって強度が低下する。これを防ぐために、縦と横の方向に延伸する方法が取られているが、これを2軸延伸と呼んでいる。
オイルフリー<oil free>
プラスチック摺動材で使われる言葉。一般的には継続的な注油無しての使用状態をさす。オイルをまったく必要としない無潤滑とは区別する。
応力亀裂<stress cracking>
=ストレスクラッキング。引っ張り強さより小さい応力によって材料の表面あるいは内部に生ずる亀裂を言う。樹脂の場合には、外部の環境によってこの亀裂が著しく促進されるので環境応力亀裂と同じように使われることが多い。
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