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超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)

 超高分子量ポリエチレン(Ultra High Moleculer Weight Polyethylene)は、汎用樹脂であるポリエチレンの分子量(通常2〜30万)を100〜700万まで高めた樹脂である。一般的なポリエチレンとは加工法も特性も大きく異なり、汎用のポリエチレンとは区別される。

 強度および耐衝撃性に優れ、特に耐衝撃性は熱可塑性樹脂の中で最も優れる。自己潤滑性および耐摩耗性に優れ、低温においてもその特性を保持する。ポリマーのなかでもっとも簡単な構造を持ち、耐薬品性に優れ、吸水が低く、軽量、無毒性である。連続使用温度は80℃以下と耐熱性は高くない。

溶融時の流動性はきわめて低く、射出成形には向かない。そのため、一般的には粉体を圧縮成形もしくは特殊な押出成形により成形される。

 主な用途としては、耐衝撃性・耐摩耗性を生かして、搬送機械類、ギア部品などに用いられるほか、食品衛生性・耐薬品性などから食品加工機械部品、バッテリーセパレーターなどに使用される。また、特殊な紡糸法にて糸状に成形されたものは、超高強度・高弾性率のスーパー繊維として、ロープ、釣り糸のほか防護・防弾・防刃製品などに使用されている。