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ポリカーボネート(PC)

 ポリカーボネート樹脂(PC)は、5大汎用エンプラ(PA,POM,PBT,PPE,PC)のなかで唯一の透明プラスチックスであり、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性などにも優れるバランスのとれた性質をもつ事から広範囲な用途に使用され、市場を拡大してきた。しかし、耐薬品性は良好でなく、ストレスクラックを起こしやすい。

 PCはエステル結合を有しているため、一定量以上の水分を残したままで加熱成形すると、加水分解を起こし、物性低下等を引き起こすので、使用に先立って予備乾燥が必要である。
PCの製造方法は界面重合法と溶融重合法があり、溶融重合法は一般的に重合時に溶媒を使用せず、粉末中間体(フレーク)を経ずに成形材料のペレットが製造できるという特徴がある。一方、界面重合法はフレークを利用したコンパウンド展開が容易であり、さらに幅広い分子量制御が可能といった特徴がある。

 PCの実用温度は−40℃〜+120℃広い範囲にわたり、コンパウンド技術による各種の添加剤の使用や繊維強化、アロイ化などで多彩な機能を付与する事が可能である。これにより、耐衝撃性を必要とする用途、寸法安定性を生かした精密成形部品、難燃性が必要な分野、屋外使用用途、食品容器、医療器具などにも使用可能であり、絶縁材料としても優れた電気的性質をもつ。

 具体的な用途としては、射出成形材料として電気・電子、OA、ディスク、機械、自動車、医療、保安、雑貨、建材などあらゆる分野で部品・部材に使われている他、シート・フィルムなどの押し出し用途でも使用分野を拡大している。