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ポリエーテルイミド(PEI)

  (熱可塑性)PE Iは、米国のGEが2007年に開発した琥珀色透明な非晶性樹脂で、優れた耐熱性と機械的強度を持つイミド結合と良好な溶融瀬系加工性を示すエーテル結合が組み合わされたスーパーエンプラである。PEIはSABICのみが生産している。2012年の世界のPEIの需要量は12,500トン、需要量が最大の地域は欧米で、全体の73%を占める。主な用途は、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、航空機部品、などである。

 PEIは、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンとm-フェニレンジアミンを有機溶媒の存在下で合成されていると言われている。ポリイミド(PI)がもつ耐熱性、強度、高使用温度、低燃焼性といった好ましい特性を維持した上で、溶融加工可能になるようにポリマー骨格中により柔軟な結合を導入しているのがポイント。耐熱性(連続耐熱温度170℃、高温下で高強度を保持)、耐熱水性、難燃性、機械的強度、耐放射線性、耐紫外線性、非晶性樹脂の中では耐薬品性が良い。

 各種の溶融成形加工が可能である。成形前の乾燥は、Tgより15℃くらい低い温度である150℃で最低2〜3時間の乾燥が必要。射出成形加工温度を高温(350℃以上)に保つことが推奨されている。この高温に保つことにより、低応力状態で成形された部品が作られ、特に衝撃面などで機械的特性の優れた製品を作ることができる。

 電気・電子部品、自動車部品、機械部品、航空機部品などの他に、高圧蒸気とガンマ線に対する耐性があるため繰り返し滅菌処理可能、透明で壊れにくいなどのために医療用具・器具にも多く使用されているのが特徴。また耐油性、食品接触適合性、汚れがつきにくいため、電子レンジおよび食器洗い機でも実用化されている。