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ポリアリレート(PAR)

 ポリアリレートとは二価フェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合物と定義される全芳香族ポリエステルである。市販されている代表的なポリアリレート樹脂としては、二価フェノールとしてビスフェノールA、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸およびイソフタル酸の混合フタル酸からなるものが挙げられる。

 ビスフェノールA/混合フタル酸型ポリアリレートは非晶性であり、芳香環とエステル結合を高密度に含んだ骨格によって以下のような特徴を有している。
 耐熱性: ガラス転移温度がポリスルホンとほぼ同等、ポリカーボネートより50℃近く高く、耐熱性に優れる。
 透明性: 非晶性樹脂であるため全光線透過率が高く、ポリカーボネートとほぼ同等の透明性を示す。
 クリープ特性: 降伏伸度が大きく弾性回復可能な変形領域が広い。ガラス転移温度が高いことから広い温度範囲で回復特性を有する。
 耐侯性: 紫外線バリヤ性に優れ、波長350nm以下の紫外線をほぼ完全に遮断することができ、促進耐候試験前後での物性変化も小さい。
 難燃性: 酸素指数が高く事故消火性があり、難燃剤の配合なしに高い難燃性を示す。

 ポリアリレート樹脂は射出成形、押出成形などの成形法が適用できる。また、非晶性であるため一部の溶剤に可溶であり、溶液流涎法によるフィルム化も可能である。
 さらには他樹脂とのアロイ化することで、ポリアリレート樹脂の特徴を活かしつつ、成形性の改良、耐溶剤性の改善できる。

耐熱性、透明性や機械特性といった特徴を活かし、自動車分野、電気・電子分野等さまざまな用途で採用されている。
自動車分野:ターンレンズキャップ、ハイマウントストップランプのレンズ、回転ランプのリフレクタ、オートヒューズ部品など。
電気・電子分野:照光カバー、蛍光灯ホルダ、FAケース、LED反射板、光学レンズなど。
その他:目薬容器、時計枠、PETブローボトルの耐熱改良剤、PET複層シートなど。