プラスチックの分類
エンプラ
スーパーエンプラポリアミドイミド（ＰＡＩ）
PAIは通常、芳香族トリカルボン酸無水物と二種類以上の芳香族ジアミンを脱水触媒の存在下で直接反応させ、重合と閉環が同時に進行させながら製造され、構造的にはイミド基とアミド基を交互に含む形をして射出成形ができるように分子設計されている。260℃の環境下でも優れた強度を維持し、引張強さ、曲げ強さ、衝撃強さが非常に優れているばかりでなく、圧縮強さと寸法安定性は他に類をみない。すぐれた難燃性、耐放射線性、耐摩耗性を有している。
射出成形、押出成形、圧縮成形が可能で、通常の機械加工、接着、めっきができる。また、部品の耐摩耗性を十分に引き出すには適切なポストキュアを必要とする。
PAIは、耐熱性（特に耐衝撃性）、耐疲労性、難燃性、耐摩擦・摩耗特性、耐薬品性、耐ストレスクラック性に優れていて電気特性も良好である。使用環境温度が非常に厳しく、機械的負荷が大きい部位中心に、電気・電子部品、産業機械、事務機、自動車部品等に使用される。熱可塑性樹脂には苛酷過ぎると考えられるスペースシャトルや自動車のトランスミッションなどの重要部品としても活用されている。
電気・電子部品、自動車部品、機械部品、航空機部品などの他に、高圧蒸気とガンマ線に対する耐性があるため繰り返し滅菌処理可能、透明で壊れにくいなどのために医療用具・器具にも多く使用されているのが特徴。また耐油性、食品接触適合性、汚れがつきにくいため、電子レンジおよび食器洗い機でも実用化されている。
