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ふっ素樹脂

1. ふっ素樹脂とは
 1938年に発見されたPTFEを始め、ふっ素樹脂は約9種類に分類される。

2. ふっ素樹脂の特徴
 ふっ素の原子半径が小さいためC-F結合距離が小さく、ふっ素の高い電気陰性度とあいまってC-Fの結合エネルギーが大きくなり、@耐熱性、耐薬品性、耐候性等に優れる。A屈折率、誘電率、誘電正接、表面張力ともいずれも樹脂のなかでは最も小さい値を示す。

3. ふっ素樹脂の種類と成形技術
3.1. PTFE
 融点以上でも実質的に流動性を示さないため、成形の骨子は、常温下で未焼成のPTFE粉体を押し固め、焼成炉で焼結させる、いわゆる「粉末冶金法」に類似した成形を行う。代表的な成形法として、「圧縮成形」、「液圧成形」、「ラム押出成形」、「ペースト押出成形」などがある。
3.2. 溶融流動性ふっ素樹脂(PFA, FEP, ETFE, PVDF, PCTFE, ECTFE, TFE/PDD, PVF)
 PTFE以外のふっ素樹脂は、成形温度における溶融粘度が103〜104Pa・secであるので、一般の熱可塑性樹脂で行われる「押出成形」、「射出成形」、「トランスファー成形」、「回転成形」、「ブロー成形」、「圧縮成形」などの成形手段を適用できる。

4. ふっ素樹脂の用途
 化学分野や半導体・液晶分野では、優れた耐薬品性を活かしたライニングタンクや薬液搬送用配管製品(チューブ・継手・フィルタ・ポンプ・バルブ)に数多く採用されている。電気・電子分野では、誘電率・誘電正接・絶縁抵抗などの優れた電気的特性を活かしたLANケーブルやプレナムケーブルなど数多く採用されている。また、ガラス繊維布にふっ素樹脂を加工した材料は、建築物の屋根材や壁材にも活用されている。